【 洛陽入城 】
- 孫堅は再び軍を整え陽人へと迫った。その時,董卓軍も孫堅を討つべく胡軫(こしん)を大将,副将に呂布という布陣で迎え撃っている。しかし胡軫が大将・呂布が副将という布陣は失敗だったようだ。胡軫はせっかちな性格でこの戦いは孫堅さえ倒せば終わると意気込んで董卓から受けた指令を無視して強行軍で孫堅に迫った。それに対して十分な腹ごしらえもさせてもらえなかった兵士たちの不満が溜まっていく。そこに副将があの呂布である。呂布にしてみれば自分が胡軫の下に付けられたのが不満やるかたない。呂布は兵士たちと共謀して胡軫を失敗させようと画策する。胡軫に偽の情報を流して守備体制の整った孫堅の軍営に疲れ切った兵士で突入させた上,孫堅軍が総攻撃に転じたとさらに偽情報を胡軫に送ったのである。胡軫は呂布の偽情報に踊られさた挙句,なにもしないまま帰還せざるを得なくなったのである。
- 孫堅はこうした敵のゴタゴタもあり陽人城に攻め入り,董卓軍の都尉を務める華雄(かゆう)を斬るという大戦果を挙げたのである。もし呂布が本気で孫堅軍と対峙していたらどうなっただろうか?それはそれで見てみたい気はするがこの時点では呂布が自滅を選んでくれたことは孫堅にとってラッキーだった。ありがとう呂布^^;。
- 陽人城が落ちたのは董卓にとって痛手であった。腑抜けぞろいのはずの反董卓連合に城を取られたのである。董卓は部下の李傕を使者に立てて懐柔を試みる。しかし孫堅は『お前は,天に背いて無道をなし王宮を覆した。今お前の一族を皆殺しにして天下に示さねば俺は死ぬに死ねない。』と言って拒絶する。荊州刺史を殺害することは無道じゃないのかという気もするがこの際それは棚に上げておこう^^;。拒絶する孫堅がかっこ良いから^^;。
- 孫堅は洛陽から90里にある大谷(たいこく)まで軍を進める。ところがそこでとんでもない情報が入ってくる。董卓が洛陽を焼け野原にして長安まで下がったというのだ。これはおそらく孫堅の予想の範疇を越えていたはずである。自分に有利な局面を作るためには都を焼くことすら厭わない董卓。すさまじい人物である。孫堅にしてみれば洛陽で董卓を打ち破り,献帝を救出することが目的だったはずである。それが孫堅を天下に知らしめる最短の方法であった。しかし目的の献帝と董卓はすでに西方の要害である長安まで移動してしまった上に洛陽は焼け野原。董卓の目的はなんだったのだろうか?
- 洛陽には孫堅軍に加えておそらく東に構える諸侯たちも大挙して押し寄せるだろう。守り通せても被害はでかい。それなら洛陽より自分の本拠に近い長安の方が守りやすい。どうせ奴らは寄せ集めだから今は孫堅軍が勝って勢いに乗っていてもいずれ瓦解するに違いない。それなら洛陽にこだわる必要はない。ついでに奴らに余計な出費をさせるために洛陽を焼き払ってしまえ。奴らは洛陽復旧のために足止めを食らうはずだ。
- そんな所だろうか?いずれにしても孫堅は焼け野原になった洛陽に入城した。思い描いていたはずの形とは別の形で。 ▲▼